釣り好き食いしん坊が島に移住する話

関東で暮らしていた飲食業のおっさんが40歳でとある島に移住して地域のために頑張ってみるお話

念願のうぉっちゃ

ゆむしです



週末のお仕事を一週休んで
日本海側へ

目的は…



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「うぉっちゃ食堂」さんの
海鮮丼❗


それもただの海鮮丼ではなく
つい先日まで
エリアは違いますがゆむしと同じ
「地域おこし協力隊」として
水産振興ミッションで
活動されていた方が
オープンされたお店です


漁師として定置網などの
漁業にも関わり
海鮮丼のお店だけでなく
ゲストハウスも経営されている
「ひとり6次産業化」の
スーパーウーマン


お店がある場所は…


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道の駅阿武町の施設内


阿武町は
萩市にぐるっと囲まれた
小さな港町

萩市といえば山口県の中では
下関市と肩を並べる
ブランディングの強い自治

歴史ある町として
ファンもたくさんいます


車で10分少々走れば
全国屈指の人気道の駅
海の幸が豊富に並ぶ
「萩しーまーと」


そんなビッグな競合に
隣接した小さい町なら
やっぱり寂し…

…くないのが阿武町の凄さ

地域活性化アクションとして
県内でベンチマーキング対象を挙げるなら
間違いなく阿武町



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あのスノーピークさんと組んで
キャンプ場も建設中

定置網と漁港に隣接する道の駅
温浴施設
そしてビジターセンターに
キャンプフィールド


海の幸をアピールするにも
魚種でブランド化する萩市の隣で
神経締めなどを用いた
クオリティで勝負するのが
阿武町

水産業界では有名な
ウエカツさんと組んだ
水産振興プロジェクト

そこに地域おこし協力隊として
参加されていたのが
「うぉっちゃ食堂」の店主さん
だったという経緯です



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魚の骨を組んで作った
壁掛け看板


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メニューは基本的に
漁師めしセット1000円のみ

内容は日替わり



このコンセプト
お客さん側からすれば
かなり取っ付きにくいはず

何が食べられるか
当日にならないとわからない

それが苦手だった場合
他にメニューがない

飲食店として見た場合
都会のコンサルタント連中なら
マイナス点をかなりつけるはず…



…ですが

「その日最高のものを最高のコスパで」
提供するためには
この手法がベストなんです

当然お店側も
毎日メニューを考えて変えるというのは
かなり難しいというか
強い想いがないと不可能です


同じ商品を
同じ規格、価格で仕入れて
仕組み化したオペレーションで
提供した方が
圧倒的に楽で

しかも兼業オーナーなので尚更です



しかし日替わりに拘るのは
「その日美味しい魚」を
食べてもらいたいから

阿武の港に水揚げされるのは
天然の魚
工業製品のように
発注した予定数が届く訳では
ありませんし
状態の個体差もあります

自然から受けとるものの
不安定な状態から
魅力を抽出できる
企画スピードと柔軟性
そしてプレゼン力


本当に「旬」の味わいを
激安で楽しんでもらうには
産地の現場で
瞬間を切り取り
魅力を引き出す力がないと
成立しないんです


当然「旬っぽく見せる」ことは
後からでも現場でなくても
できますが

港に今吹いている風と
食材のストーリーが一体化する
最高の漁師めし体験は
やっぱりレベルが違います



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この日のメニューは
「マグロ丼」

山口県にマグロのイメージは
一般的にはあまりないと思いますが

釣り好きなら知っている人も
ある程度いるでしょう

萩、阿武沖には
「ジギングの聖地」とも呼ばれる
巨体ヒラマサや
ヨコワマグロ(本マグロの若魚)が
集まる瀬があることを…


そのマグロを
通常の刺身の数倍の厚さ
大きさにぶった斬り

柵の形が揃わない部分も無駄なく
胡麻油を効かせた漬けで盛った

豪快な漁師丼です

言葉が出ないくらい旨い…



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ちなみに山葵は摺りたてを

味噌汁も地のワカメがたっぷりで
地域ならではの味です



マグロは釣りたてピチピチ状態で
旨い魚ではなく
適切な処理をして
旨味が馴染む(アミノ酸類が増える)
タイミングで提供すべき
扱いの難しい魚

甘味の奥にほのかな酸味を感じる
味の奥行きと
しっとり滑らかな舌触り

巨大なカットでも
品のある美味しさを
しっかり感じられるのは

ただ豪快新鮮だけじゃなく
魚をちゃんと理解している人が
提供されているから


それはきっと
店主さんが
地域の恵みと漁師の想いを
最大限に伝えたいと
意識されているからこそ
伝わるのだと思います

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