釣り好き食いしん坊が島に移住する話

関東で暮らしていた飲食業のおっさんが40歳でとある島に移住して地域のために頑張ってみるお話

稚魚のおはなし

ゆむしです



今週は、海の魚を増やす事業を
2件視察させて頂きました

まずはこちら



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何の魚種かお分かりでしょうか?

背鰭に面影がなんとなくあるかな…
というレベルですね


正解は





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カサゴです


稚魚の頃は
「ゴツゴツ感」があまりないですね

こちらを放流します

カサゴは成長が遅く
30cmくらいになるのに
約8年ほどかかります

また、長い距離を泳いで移動する
魚ではないので

釣りすぎると、その場所では
カサゴが再び増えるまでに
長期間を要します


漁師さんが定期的に
稚魚を放流することで
カサゴがいなくならないように
コントロールしているんですね


岩の隙間や藻の中に隠れる
習性があるので
ふらふら泳いでいて大きな魚に
根こそぎ食べられてしまう危険性が
あまりないことも
放流に適している要因ですね

高い確率で
放流した場所の近くに
定着してくれる魚は
費用対効果が見えやすいんです



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トラックでやってきた稚魚を

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ホースで漁船の生け簀に積み込み

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出港

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ルアーフィッシング用語で
「ロックフィッシュ」に
分類されるカサゴだけに
「ロック」の多い場所へ

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放流します


本能なんでしょうね
迷わず底に向かって
一目散に
泳いでいきます

ここの海底は隠れ場所の宝庫です
上手く隠れながら
大きく育って下さいね




続いて翌日はこちら



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彼は小さいながらも
大人に近い顔をしていますね

もうお分かりでしょう





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そうです、ヒラメです


前日のカサゴと同じくらいの多きさですが
このヒラメはすぐに放流せず
浜でもう少し大きくなるまで育てるそうです

栽培漁業の言葉で言うと
「中間育成」というやつですね




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トラックから海水プールへ


これは稚魚を育てている施設から
稚魚を購入し、
放流したい海域の状況に合わせて
「生き残りやすい大きさ」まで
育ててから放流する漁業です

3cmの稚魚の餌になるプランクトンは少ないけど
5cmの稚魚の餌になる小さなエビがいる
10cmの稚魚の餌になるシラスがいる
…など

ヒラメを育てたい海を分析して
タイミングを見極めて放流するのです

ヒラメは比較的成長の早い魚で
約1年で30cmくらいにはなります
先日の「笠戸ひらめ」もそうですが
養殖に適している魚です


ヒラメに関しては
かなり戦略的にコスパを考えて
漁業の手法を組み立てます

天然ヒラメが毎年ボッコボッコ
湧いてくるような海(茨城、福島等)では
天然ヒラメを漁で獲るのが効率的

ヒラメの育たない海では
出荷まで養殖するのが効率的

その中間の海では

漁をする燃料費・漁具管理費
養殖をする光熱費・施設管理費・飼料費

海が自然に育ててくれるのが
いちばん低コスト
ただ、海はなかなか
人間の希望通りには育ててくれない

海と対話しながら
人間の技術と自然の力を合わせて
資源を育てていくこと

それは
漁業の難しい部分であり
やりがいでもあるということです


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