釣り好き食いしん坊が島に移住する話

関東で暮らしていた飲食業のおっさんが40歳でとある島に移住して地域のために頑張ってみるお話

とれとれピチピチ「エイ」料理②

ゆむしです




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アカエイの一夜干し
(実際には3日干してますが)
「ソフトエイヒレ」の
試作第1号ができました

(お茶漬けも試しました)


結論から言うと

骨が刺さる危険性がゼロの
やわらか~い
子供や高齢者に優しい
新食感の魚の干物

が、できるかもしれません



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皮を剥いだエイのヒレ肉を
調味液(塩、めんつゆ、一味唐辛子など)に
2時間浸し
屋外に干すこと3日間

表面は乾燥し
薄いヒレ先はカリカリに
分厚いヒレ元の中は柔らかく
水分を閉じ込めた状態で
熟成が進んだ(であろう)エイ

色が熟したいちじくのように
変色してしまったので
不安ではありましたが
とりあえずは完成


普通エイヒレといえば
スルメのように噛み締めて
旨味が出るおつまみ

今回は
軟骨の食感を含めて
「噛む」ことが障害にならない
「柔らかい」エイにすることが目的
つまりエイヒレの常識とは
違う視点で干物をつくります

なので
分厚い状態で干して
中心部は乾燥せず柔らかいまま
熟成した旨味を出すことが狙いでした

厚さを均等にせず
薄い部分をつけたまま干したのは
ひとつの塊で
「ソフトエイヒレ」て
「ハードエイヒレ」が
楽しめたら面白いという
遊び心です
サーロインとヒレが一枚で食べられる
「Tボーンステーキ」みたいに


そしてこの試作最大の目的は…
「スライス」の方向

ハモの骨切りや
小魚の「せごし」をヒントに

軟骨が口に当たって食感が悪くなるなら
全部ぶった切ってしまえば良い
という考え方で…


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こういう向きにスライスします
軟骨の向きに対して垂直方向に


生だとこんなに薄くは切れませんが
干すことで身がしまっているので
スライス可能です

固さは
表面が「サラミ」くらい
中心部が「ういろう」くらい


これをオーブントースターで加熱すると…

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一夜干しのように
脂が滲み出てきます
やわらかジューシーです


表面だった部分
(スライスした状態の外周部分)は
乾燥しているので
カリカリっと香ばしくなります
この部分はカリカリしていますが
細い軟骨の「断面」の集まりなので
口に入れると簡単に解れます

一夜干し(ソフトエイヒレ)の周りを
細かいエイヒレ(ハードエイヒレ)が
取り囲んでいるという
なんとも不思議というか
今までにこんな食感の食べ物に
出会ったことがない新感覚


強い味付けにすれば
「へしこ」のような
日本酒に合うおつまみにもなり

やさしい味付けにすれば
「みりん干し」のような
ご飯のおかずにもなりそう


軟骨を骨ととらえるか
肉ととらえるか(骨なんでしょうけど)の
違いですが

「切る方向」を変えることで
「骨だらけ」の魚が
「骨なし」の魚に変身してしまいました



これをもっと研究して
美味しくすることで
みんなに食べてもらえたら

エイが網にかかった漁師さんも
喜んで加工して
出荷するようになるかもしれません

せっかく燃料費を使って海に出たのなら
獲れたもの全部を価値にしたいはず

そして何よりも
網や釣り針に掛かって
傷ついたり命を落としたりした魚が
誰も買ってくれないからという理由で
海に捨てられてしまうのは
やっぱり悲しいです

工夫して美味しく調理して
命に感謝して食べてもらえるように
低利用魚や有害生物たちを
プロデュースしていくための
イデアを出すのが

ゆむしのお仕事です



今のところナイと思いますが
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